#6:積読本を読み進めます~13冊目読了して
こんばんは。
今日も梅雨の晴れ間で爽やかな風が通る一日で、明るい雰囲気の週明けになりました。
皆さんはいかがお過ごしになりましたか。
本日、積読本の13冊目を読了しました。
「戦争というもの」 半藤一利 著
この本の扉に
「人間の眼は歴史を学ぶことではじめて開くものである。半藤一利」
後書には
「戦争は国家を豹変させる。歴史を学ぶ意味はそこにある。半藤一利」
と自筆を映してあります。
昭和史に関する多くの著書を上梓されているからこそ、見えている景色なのかと思いました。
この本は雑誌『歴史街道』への連載をに加筆されたそうで、戦中戦後に流布した14個の誰かの発言、替え歌、スローガン等の言葉を切り口にその背景を紐解いていく構成でした。
戦争に踏み出した時の会議を解説と併せて、開戦となった真珠湾攻撃を指揮した山本五十六が残した平和を願う言葉が「一に平和を守らんがためである」。
戦艦大和が沈没する時に伊藤誠一長官が、まだ無事だった駆逐艦に対して発した最期の命令が、「特攻作戦中止、帰投せよ」。これにより命が救われた方々がいるそうです。
戦時中の世情の中では抗うことすら許されない瞬間に、その人の信念が言葉になって残っている。
一方、異なる時代背景にして時を経て残った言葉が切り抜かれ、本来の意味を失い、歪曲された事例もありました。
「認知」はその人が体験したことで構成されている世界観と学びました。人だけでなく、人が構成している国も同じなのでしょう。
戦争推進した人々のように、見たいものだけを見ること、見たくないものを見ないことの危うさを教わりました。
一人の人間が体験できることや時間には限りがあるからこそ、歴史に学ぶことで「認知」を広げることができる。ひとりひとりが戦争についての史実と記憶を見ないことにしない。それが国が歴史を学ぶことかもしれないと思いました。
この本の中に、「八月や六日九日十五日」という俳句が紹介されていました。
8月6日はヒロシマに、8月9日はナガサキに原爆投下され、8月15日は天皇放送と終戦にまつわる8月を詠んでいます。昭和史を知る人には判るのですが、判らない人も増えているそうです。
私自身も学生時代には、戦争について近代史として学んだだけでした。戦争を実体験された人々が少なくなくなった今、戦争を見ないことにしないで学ぶ一冊になりました。
健やかな一日をお過ごしください。
では、また。