#31:譲り受けた着物に手を通します

こんにちは。

 

本日は、生活や暮らし方からひとつ。

譲り受けた着物に手を通します。(6-5)

 

皆さんはご自宅に着物(和装)はお持ちですか。

どんな時に手を通していますか。

 

我が家には、亡くなった母、叔母、祖母から譲り受けた着物、帯、和装小物が箪笥二竿程ありました。母の三回忌が終わった4年前に、箪笥を開けてみました。

昭和10年代は多くの人女性がまだ日常生活で着物を愛用していたようで、正絹以外のウールや木綿素材の着物が沢山あり、写真の中の若い母が着ていたものが何枚も出てきました。汚れや痛みがある多くは、「ありがとう」と母と叔母に心の中で話しかけながら処分しました。

 

外出用や晴れ着として大切にしていた品物は、それらを包むたとう紙の上からも伝わります。着物には、絵画のような絵柄が施されたり、生地全面に細かい柄が染められて、遠目から見ると無地に見える小紋、夏用の向こう側が透き通るレースのような絽(ろ)もありました。帯は、花や月、古典的な花車や毬、魔除けを意味する能楽の面等もあり、季節を映していました。

どれも高価なものではありませんが、母や叔母が経済的許容範囲の中で、晴れの日に身に着けることを想像し、楽しみにして手入れしていたのでしょう。そんな事を想像して処分できず、再び箪笥に収め、それ以降は防虫剤を入れ替える程度で処分を伴うよう整理はしていませんでした。

 

丁度その頃、私は茶道を習い始め、できるだけ着物でお稽古に行こうと努めていました。残念ながら膝を痛めて正座ができず辞めてしまい、それ以降、この3年間は着物に手を通すことはありませんでした。

 

今思えば、着物を着る理由は何でも良いのだろうと思います。歌舞伎や観劇の場で和装の方を見かけることがあります。映画、食事会と少しだけ日常と違う時間を晴れの日と自分で決めればいい。

私がこれからの晴れの日に、どの頻度で着物を着たいか?と問いかけました。回数は少なくても、これから何度か着物を着た時の緊張感を楽しみたいと思いました。

 自分に似合う大切にしたいもの数点を手元に残し、それに何度か手を通します。

 

私が譲り受けた着物の中には、私の体格に合わず着れないものや、年齢不相応なものもあります。誰かが気に入って下さるならば、お渡ししたいと思います。

一方、少し違うアプローチをしたい一枚があります。私が成人式で着た着物は、自分でローンを組んでアルバイト代で返済し、用意しました。この着物も今の私には似合わないのですが、ちょっぴり思い出があり、もう少し手元に置こうと思います。できれば、形を変えて日常使えるものに作り変えられると嬉しい。そのようなサービスがあるか、探してみます。

 

健やかな一日をお過ごしください。

では、また。