#6:積読本を読み進めます~1冊目

こんにちは。

本日は、4:学び直しから、積読本を読み進めます。(4-2)

 

皆さんの本棚には、興味を持って購入したものの読まずに月日が経った本や、途中まで読んだけれど最後まで読み通せなかった本、「積読本」はありますか。

私の本棚には数多くあり、それらの背表紙を見る度に自分が読もうと決めて入手した本1冊を読み切れない中途半端な態度の自分自身にがっかりしていました。この状態は自分が引き起こしたことですので、本を捨てたり転売する気にはなりません。

このブログを始めたことを切っ掛けに、私のペースで本を手に取り読後ここに紹介していこうと思います。

 

1冊目

高原の随想ー野生への回帰ー 手塚宗求著 

霧ヶ峰に山小屋を開いた著者が高原での生活を通したエッセイです。

著者はすでに他界されているそうですが、小屋は今も健在です。

 

この本は会社の同期から推薦され手に取りました。

彼女は少し茶色かかった瞳の良く笑う女性で、一緒にいる人達を笑顔で見守り、音楽、読書、テニスが好き。この本を紹介してくれた時の彼女の言葉と長い睫毛を揺らす微笑みもはっきりと覚えています。

「難しいのだけど、落ち着いた気持ちになる本なの。」

それを聞いて単行本(1991年出版)を購入しました。

山や草木の名前、登山の専門用語もあり、知識を持たない私は都度調べながら読み進めることに疲れてしまい、途中で積読本になりました。

 

再び手に取ると、表紙デザインは高山の草花の素描をあしらい、深い緑と緑のインクを一滴入れたようなクリーム色。凛として美しいと思いました。

今回は、わからないことがあってもいいと割り切って読み進めていきました。次第に著者の霧ヶ峰の地に向けた愛情が広がり、その当時の時代の空気も伝わって穏やかな気持ちで読み終えることができました。

当時観光地に変貌していくさなかの霧ヶ峰には公衆トイレがないことから、著者が時間を費やし行政も巻き込み建設した公衆トイレでしたが一度の嵐で飛ばされてしまったエピソードがありました。

人間が自然の中に気軽に足を踏み入れることができるのは、誰かが安心と安全を作り、自然がそれを許した時間だけだと感じた部分でした。

 

読了した今、友人が口にした「難しいけれど落ち着いた気持ちになれる」読後感に頷くことができます。この本に乗って、約30年前にタイムスリップし、当時20歳代だった彼女の人柄に想いを馳せすることもできました。

 

健やかな一日をお過ごしください。

では、また。