(32)李禹煥(リ・ウファン)展に行きました

こんにちは。

強風と雨に見舞われた今朝でしたが、出勤時に影響を受けた方がいらっしゃたと思います。おつかれさまです。

 

昨日、見たかった展覧会に行ってきました。コロナ禍での幸せなひと時でした。

展覧会名:李禹煥(リ・ウファン)展

場所:国立新美術館(六本木)

特設HP⇩

leeufan.exhibit.jp

(URL引用元:国立新美術館公式ホームページに掲載の特設ページURL)

 

2年程前に友人に誘われて、森美術館李禹煥(リ・ウファン)の「対話」という1枚を目にしてファンになりました。ファンと言っても、チラシに書いてある作家の情報と自分が見た絵しか知らない、一目ぼれ状態です。

 

今回は李禹煥(リ・ウファン)の個展。これまでの作品が58点(展示品一覧表より抜粋)並び、インスタレーションと絵画のそれぞれが発表された時系列に展示され、作家の思考や表現について音声ガイドでも本人の解説を聴くことができました。(ちなみに音声ガイドは自分の携帯電話を使ってQRコードからコンテンツにアクセス。無料でした。)

このコンテンツを聴くことにより作品の見方に視点が増えましたし、私自身は作家について基礎情報も併せて得ることができました。無料のガイドが有難かったです。

 

作品のタイトルは、シリーズ化されていて、異なる作品でも同じタイトル名でサブタイトルが付いていたり、制作年度が記載されているだけの場合もあります。

私が昨日拝見した「対話」は、森美術館で見た「対話」とは異なる作品でした。今回の「対話」シリーズから複数作品が展示されていましたが、印象深く残った2点ありました。

一つ目の「対話」作品は、大きなサイズのキャンバスの両端に円柱が描かれ、中央部分はキャンバスの余白が広く占めています。2本の円柱は、中央の余白に向く部分は白く、キャンバスの端に近づくにつれて濃い色彩になります。余白も含めて相互に関係しあっているものの、独自に持つ何かが白い部分に隠れて存在していますが、その独自性もこの空間に必要な部分と感じています。「対話」を見ると人とのコミュニケーションや互いの存在に対する姿勢について考えを巡らせ始め、「それでいい」と肯定的な感情に触れることができます。

二つ目の作品は、同じ「対話」ですが、屏風のように2枚のキャンバスが蝶番で繋がれています。右側のキャンバスにだけグレーの円柱がグラデーションを纏っておかれています。屏風の形状に連想した可能性もありますが、茶道の茶席の空間のように「そこにある」という感覚が呼び起こされました。今への集中と充足感に満たされました。

 

この展覧会の冒頭に展示された、「風景Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」も印象深く残っています。部屋の三方の壁にそれぞれ暖色系だが異なる色の蛍光塗料で塗られた大きなキャンバスが展示されています。その空間に入ると、強烈な色が自分にも影響し、それぞれの壁から異なる光の反射を受けて、空間全体がキャンバスの色とは違う色に満ちています。「人や自然はそこに在るだけで影響しあっている」と感じ、それは大きな地球上で起こっているのだと思考と感情が広がりました。

 

音声ガイドを聴く限り、私が感じた事柄は作家の意図や表現したいこととは異なっているようでしたが、この展示会に行ったことで、美術素人の私はとても心が満たされた時間を過ごすことができました。

現代美術が興味がある方にお勧めしたい展示会です。

 

◇2022/09/1 タロットカード:16タワー

大きな塔に落雷し倒壊する絵柄。既存の生き方や、概念の改革を示す一枚。

思い込みが間違っていることもあると注意して過ごそう。

 

では、また。