#6:積読本を読み進めます~4冊目

こんにちは。

 

本日は、積読本を読み進める4冊目。(4-2)

読書会の課題図書でしたが、参加機会を逃した積読本です。

 

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学  近内悠太 著

 

哲学者の著者が広い分野から事例を引用して解説した贈与論の入門書です。

その事例は、映画「ペイ・フォワード」、漫画「テルマエ・ロマエ」、神話、SF・推理小説、歴史や文学の名著等々広範囲に及び、それぞれの引用元を明記し、更に著者がフォーカスした部分をはっきりと述べながら、贈与論について書き進められていました。

取り扱う贈与論は、誰もが理解を共通にする数字のように存在するのではないと思いますが、数学の証明問題の様に論拠の提示を通して形作り、著者の結論をメッセージとして読者に渡したように感じました。

 

私はこの本を通して贈与論を知りました。今の私が主に受け取る事が出来たのは、

・贈与は、金銭、物品、行為等で交換できす、一方的で無意識に既に享受している。

・一つ一つの贈与の存在や差出人は明示されずとも、多くの贈与が積み重なり「当たり前」としてそこに存在している。

・「当たり前」と思っていた状態が何かに影響を受けて「当たり前ではなかった」と気づいた時に、贈与を受け取っていた事を知り、感謝する。

・「当たり前ではない」に気づく事が教養であり、歴史書を想像力を働かせながら読む事を通して培われる。

という事でした。

 

病気、近親者との別れを通して、自分自身の健康や家族の愛情を意識します。被災体験を通して、社会インフラの存在と恩恵を実感します。

市井の中に在り、毎日のデスクワークは労働と給与の交換に感じますが、デスクワークを通して作り出した何かが社会の中に入り、誰かへの贈与として形を変えているかもしれません。自分も無意識に何かを誰に贈与を差し出している、そんな気もしてきました。

時間をおいてこの本を再読した時に自分が何を感じるか、楽しみです。

 

健やかな一日をお過ごしください。

では、また。